統合失調症

統合失調症とは

統合失調症は、幻覚、妄想、まとまりのない発語および行動、感情の平板化、認知障害、および、職業的・社会的機能障害により特徴づけられる病気です。原因は不明ですが遺伝的要因が考えられます。通常、症状は青年期または成人期早期に始まり、診断を下すには6カ月以上持続する症状のエピソードが1回以上は認められなければなりません。治療は薬物療法、精神療法、およびリハビリテーションがありますがありますが、新しいお薬の服用が最も重要です。

統合失調症の症状

陽性症状:正常な機能の過剰または歪み
陰性症状:正常な機能および感情の減弱または喪失
解体症状:思考障害および奇異な行動
認知症状:情報処理および問題解決の障害
患者は1つの症状だけを呈する場合もあります。

妄想とは

明らかに矛盾する証拠があるにもかかわらず持続的な誤った確信のことです。
妄想にはいくつかの種類があります。

被害妄想:患者は拷問を受けている,尾行されている,騙されている,またはスパイの対象にされていると確信する。
関係妄想:患者はネットのSNSや掲示板、広告、書籍、新聞、歌詞、または他自分の周囲にあるちょっとした言い回しが自分のことを指していると確信する。
思考奪取または思考吹入:他者が自分の心を読み取ることができる、自分の考えが他者に伝わっている、または考えおよび衝動が外的な力によって自分に押し付けられていると確信する。
統合失調症における妄想は奇異な傾向があり、明らかに信じがたく、通常の人生経験からは生じないものです。

幻覚・幻聴とは

幻覚は幻聴、幻視、幻嗅、幻味、または幻触ですが、幻聴が最も多くみられます。患者には自身の行動に言及する声や、会話、批判や罵倒する声が聞こえてくることがあります。

統合失調症の前兆と急性期について

■統合失調症の前兆期は

発症の前触れのサインが現れ、眠れなくなったり、物音や光に敏感になったり、あせりの気持ちが強くなったりして発症の前触れのような変化がみられることがあります。この時点で受診したほうが良いですが、誰もが経験する症状に似ているので本人も周りの人も気づかないことが多くあります。また、専門外の医療機関や医師によっては気のせいだとか、軽いベンゾジアゼピンの抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。しかし最初から統合失調症も診れる精神科に通院すべきです。ベストな治療やお薬はうつ病や他の病気と異なるからです。

■統合失調症の急性期は

幻覚や妄想などの陽性症状が目立つ時期です。会社や学校に行けなくなったりトラブルに巻き込まれたりしがちです。急性期は前兆期に続いて現れ、不安や緊張感、敏感さが極度に強まり、幻覚、妄想、興奮といった統合失調症特有の陽性症状が目立ちます。人に見張られている、盗聴されている、みんなに悪口を言われている、自分の声が聞こえるなど幻覚や妄想に襲われて頭の中が混乱し、周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくなります。入院や薬物療法が必要で、比較的長期にわたって治療薬を継続することが必要です。間違った情報に従って治療をやめようとしてはいけません。家族や周りの人は温かい気持ちで見守ってあげてください。