サイレース

サイレース錠1mg/ サイレース錠2mg

販売名サイレース錠1mg

中期作用型の睡眠薬
脳内で神経興奮に関わるベンゾジアゼピン受容体(BZD受容体)を刺激して、脳の活動を抑えることで眠りやすくし、睡眠障害などを改善します。

効能・効果

麻酔前投薬
不眠症

用法・用量(主なもの)

1回、フルニトラゼパムとして、0.5〜2mgを就寝前又は手術前に経口投与するなお、年齢・症状により適宜増減するが、高齢者には1回1mgまでとする
コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください。

副作用

ふらつき 、 眠気 、 頭痛 、 眩暈 、 頭がボーッとする 、 運動失調 、 頭重 、 口渇 、 倦怠感 、 尿失禁

【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】

・この薬の影響が次の朝以後におよび、眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの
低下が起こることがあるので、この薬の使用中は自動車の運転などの危険を伴う機
械の操作は行わないでください。
・この薬を続けて飲んでいると、薬を摂取したいと強く思いコントロールが出来ない
など、薬物依存の症状があらわれることがあるので、長期間の使用は避けることと
されています。このような症状があらわれたら、医師に連絡してください。また、
この薬の量を急激に減らしたり、中止したりすることで、痙攣発作(顔や手足の筋
肉がぴくつく、一時的にボーっとする、意識の低下、手足の筋肉が硬直しガクガク
と震える)、せん妄(軽度の意識混濁、興奮状態、幻覚、妄想)、振戦(手足のふる
え、首のふるえ)、不眠、不安、幻覚、妄想(根拠が無いのに、あり得ないことを
考えてしまう、論理的な説得を受け入れようとしない)などの離脱症状があらわれ
ることがあるので、この薬を中止する場合には、徐々に減量されます。この薬の飲
む量や飲む期間については医師の指示に従ってください。
・アルコール飲料はこの薬に影響するので、控えてください。
・妊婦または妊娠している可能性のある人は医師に相談してください。
・授乳を避けてください。
・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を飲
んでいることを医師または薬剤師に伝えてください。

日本標準商品分類番号

871124

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)1991年3月

薬効分類名

不眠症治療薬

承認等

販売名コード

1124008F1024

承認・許可番号

承認番号15800AMZ00620000商標名Silece

薬価基準収載年月

1984年3月

販売開始年月

1984年3月

貯法・使用期限等

貯  法室温保存使用期限外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

向精神薬習慣性医薬品注意−習慣性あり処方箋医薬品注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中フルニトラゼパム1mgを含有する淡青色の割線入りのフィルムコーティング錠である。
添加物として青色1号、カルメロースカルシウム、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、乳糖水和物、ヒプロメロースを含有する。

性状

販売名サイレース錠1mg剤形フィルムコーティング錠識別コード201外形:表外形:裏外形:側面直径7.1mm質量107.0mg厚さ2.7mm性状淡青色
割線入り※フィルムコーティング内部(素錠)は青色販売名サイレース錠2mg

販売名コード

1124008F2020

承認・許可番号

承認番号15800AMZ00621000商標名Silece

薬価基準収載年月

1984年3月

販売開始年月

1984年3月

貯法・使用期限等

貯  法室温保存使用期限外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

向精神薬習慣性医薬品注意−習慣性あり処方箋医薬品注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中フルニトラゼパム2mgを含有する淡青色の割線入りのフィルムコーティング錠である。
添加物として青色1号、カルメロースカルシウム、ケイ酸カルシウム、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、乳糖水和物、ヒプロメロースを含有する。

性状

販売名サイレース錠2mg剤形フィルムコーティング錠識別コード202外形:表外形:裏外形:側面直径9.1mm質量211.5mg厚さ3.4mm性状淡青色
割線入り※フィルムコーティング内部(素錠)は青色

一般的名称

フルニトラゼパム製剤

禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.**急性閉塞隅角緑内障の患者
〔抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。〕3.重症筋無力症の患者
〔重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。〕
原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者
〔炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。〕

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

不眠症麻酔前投薬

用法及び用量

通常成人1回、フルニトラゼパムとして、0.5〜2mgを就寝前又は手術前に経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減するが、高齢者には1回1mgまでとする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)次の患者には少量から投与を開始するなど注意すること。(1)衰弱患者(2)高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕(3)心障害のある患者
〔呼吸抑制があらわれやすい。〕(4)肝障害又は腎障害のある患者(5)脳に器質的障害のある患者
〔作用が強くあらわれやすい。〕(6)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕(7)小児等〔「小児等への投与」の項参照〕

重要な基本的注意

1.本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。2.*連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること〔「重大な副作用」の項参照〕。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)1. 薬剤名等 アルコール(飲酒)臨床症状・措置方法中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。
アルコールとの併用は避けることが望ましい。機序・危険因子ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。2. 薬剤名等 中枢神経抑制剤
 フェノチアジン誘導体
 バルビツール酸誘導体
 鎮痛薬
 麻酔薬 等臨床症状・措置方法中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。
アルコールとの併用は避けることが望ましい。機序・危険因子ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。3. 薬剤名等 モノアミン酸化酵素阻害剤臨床症状・措置方法クロルジアゼポキシドで舞踏病が発現したとの報告がある。機序・危険因子機序不明4. 薬剤名等 シメチジン臨床症状・措置方法本剤の中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。機序・危険因子シメチジンが肝薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害するため本剤の血中濃度が上昇する。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例13,205例中、792例(6.00%)の副作用が報告されている。(再審査終了時)

重大な副作用

1. *依存性(頻度不明)連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。2. *刺激興奮、錯乱(頻度不明)刺激興奮、錯乱等があらわれることがある。3. 呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス呼吸抑制(0.1%未満)があらわれることがある。また、呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシス(頻度不明)を起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を講ずること。4. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。5. **横紋筋融解症(頻度不明)筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。6. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明)他の抗精神病薬等との併用により悪性症候群があらわれたとの報告がある。高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。7. 意識障害(頻度不明)うとうと状態から昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、注意すること。特に高齢者においてあらわれやすいので、慎重に投与すること(【用法・用量】の項参照)。8. 一過性前向性健忘、もうろう状態(頻度不明)一過性前向性健忘、また、もうろう状態があらわれることがあるので、本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に行うこと。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。異常が認められた場合には投与を中止すること。

その他の副作用

1. 精神神経系1%以上 ふらつき、眠気2. 精神神経系0.1〜1%未満 頭痛、めまい、頭がボーッとする、運動失調、頭重3. 精神神経系0.1%未満 失調性歩行、不快感、焦躁感、不安感、しびれ感、耳鳴り、動作緩慢、酩酊感、振戦、構音障害、記憶力の低下4. 肝臓0.1〜1%未満 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇5. 肝臓0.1%未満 Al-P、LDHの上昇6. 腎臓0.1%未満 BUNの上昇7. 血液0.1%未満 白血球減少、血小板減少、貧血8. 循環器0.1%未満 動悸、血圧低下9. 消化器0.1〜1%未満 口渇10. 消化器0.1%未満 食欲不振、胃不快感、下痢、便秘、腹痛、嘔吐、舌のあれ、胸やけ、流涎、口の苦味11. 過敏症注)0.1%未満 発疹12. その他1%以上 けん怠感13. その他0.1〜1%未満 脱力感、尿失禁14. その他0.1%未満 発汗、いびき、顔面潮紅、顔面浮腫、頻尿、排尿困難

その他の副作用の注意

注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者へ投与する場合には、慎重に投与すること(【用法・用量】の項参照)。
〔運動失調、意識障害等の中枢神経抑制症状があらわれやすい。〕

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい。(1)妊娠動物(ラット)に投与した実験で、50mg/kgの用量で催奇形作用が認められる。(2)妊娠中に他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)を服用していた患者が出産した新生児において、口唇裂、口蓋裂等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。(3)ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。(4)分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。(1)ヒト母乳中へ移行することが報告されており、また、新生児の黄疸を増強する可能性がある。(2)ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)で報告されている。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

1.本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。2. 症状うとうと状態から昏睡等の中枢神経抑制作用に基づく症状3. 処置胃洗浄、活性炭による吸着、フルマゼニルの投与

適用上の注意

薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

1. 血中濃度推移(1) 単回投与試験健康成人男子を対象に、フルニトラゼパム2mgを絶食下単回経口投与したときの平均血漿中濃度推移は図のとおりであった。1)

(2) 反復投与試験健康成人男子5名にフルニトラゼパム2mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、投与後3日から5日で定常状態に達し、その最高血中濃度は単回投与時の約1.3倍であった。2)2. 尿中排泄健康成人男子5名にフルニトラゼパム4mg注)を単回経口投与後、72時間までの尿中に還元体として投与量の8.6%、開還体及び水酸化体として4.7%が排泄された。2)
注)4mg単回経口投与は承認外用量である。

薬物動態の表

Cmax
(ng/mL) 
tmax
(hr) 
AUC0-72h
(ng・hr/mL) 
t1/2
(hr) 
21.7±6.73 0.75(0.5-6.0) 203±34.0 21.2±4.90 

Mean±S. D., n=48,ただしtmaxは中央値(最小値-最大値)

臨床成績

臨床効果(1)不眠症患者を対象とした一般臨床試験で有効率67.8%(521例/769例)の臨床効果が認められた。3)(2)精神神経科又は内科領域で不眠を訴える患者を対象とした二重盲検試験及び手術前夜の前投薬としての二重盲検試験を行い本剤の有用性が認められた。4) 5) 6)

薬効薬理

1. 睡眠作用本薬は各種動物試験(マウス、ラット、ネコ、カニクイザル)において、他のベンゾジアゼピン系化合物と同様の薬理学的スペクトラム(静穏・馴化、睡眠誘起・睡眠増強、抗痙攣、筋弛緩作用等)を示したが、特に各種刺激によるネコ脳波覚醒反応を著明に抑制し、強力な睡眠作用が認められた。また本薬はカニクイザルを用いた試験においても睡眠作用が認められた。7)2. ヒト終夜脳波試験健康成人男子に本剤1mg及び2mgを経口投与したときの終夜脳波試験において、入眠潜時の短縮と全睡眠時間の延長が認められた。8)3. 作用機序抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜に存在するベンゾジアゼピン受容体にアゴニストとして高い親和性で結合し、GABA親和性を増大させることにより、GABAニューロンの作用を特異的に増強すると考えられている。9)

有効成分に関する理化学的知見

一 般 名フルニトラゼパム(Flunitrazepam)化 学 名5-(2-Fluorophenyl)-1-methyl-7-nitro-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one分 子 式C16H12FN3O3分 子 量313.28構 造 式物理化学的性状フルニトラゼパムは白色〜微黄色の結晶性の粉末である。
本品は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸又はアセトンにやや溶けやすく、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。融  点168〜172℃

包装

サイレース錠1mg:100錠(PTP)サイレース錠1mg:500錠(バラ)サイレース錠1mg:1,000錠(PTP)サイレース錠2mg:100錠(PTP)サイレース錠2mg:500錠(バラ)サイレース錠2mg:1,000錠(PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)社内資料:サイレース錠の製剤間生物学的同等性試験成績 SIL-05632)深沢英雄ら:臨床薬理, 9, 251(1978) SIL-00703)西園昌久ら:臨牀と研究, 58, 1901(1981) SIL-00904)伊藤 斉ら:臨床評価, 9, 733(1981) SIL-00945)木村政資ら:医学のあゆみ, 120, 702(1982) SIL-00966)山村秀夫ら:臨牀と研究, 58, 2677(1981) SIL-00977)矢島 孝ら:応用薬理, 21, 123(1981) SIL-00548)小鳥居湛ら:臨床精神医学, 9, 621(1980) SIL-00579)岡田敏一 :神経精神薬理, 2, 5(1980) LEX-0159

文献請求先

エーザイ株式会社 hhcホットラインフリーダイヤル 0120-419-497

長期投与医薬品に関する情報

投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬量は1回30日分を限度とされています。

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元エーザイ株式会社東京都文京区小石川4‐6‐10