マイスリー

睡眠導入剤マイスリー

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

適応病名

不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)

用法・用量

ゾルピデム酒石酸塩として1回5〜10mgを就寝直前に経口投与する
なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する
年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする

妊婦・産婦の服用

相対禁止

その他コメント

半減期が短く睡眠の導入に使えます。ハルシオンの代わりという位置づけですが、ハルシオンのほうが良いという人もいます。

マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg

作成又は改訂年月

**2019年7月改訂(第28版)*2018年10月改訂

日本標準商品分類番号

871129

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)2016年3月国際誕生年月1987年6月

薬効分類名

入眠剤

承認等

販売名マイスリー錠5mg

販売名コード

YJ(医情研)コード1129009F1025

承認・許可番号

承認番号21200AMZ00560商標名Myslee Tablets 5mg

薬価基準収載年月

2000年11月

販売開始年月

2000年12月

貯法・使用期限等

貯法 室温保存、ただし錠剤分割後は遮光保存使用期限ケース等に表示(製造後3年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕

基準名

日本薬局方ゾルピデム酒石酸塩錠

規制区分

向精神薬習慣性医薬品注意−習慣性あり処方箋医薬品注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分(1錠中)日局 ゾルピデム酒石酸塩 5mg添加物乳糖水和物、結晶セルロース、ヒプロメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、マクロゴール、カルナウバロウ、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

性状

剤形フィルムコーティング錠(片面割線入)色淡いだいだい色外形表
外形裏
外形側面
大きさ直径
約6.6mm大きさ厚さ
約2.7mm重量約93mg識別コード601販売名マイスリー錠10mg

販売名コード

YJ(医情研)コード1129009F2021

承認・許可番号

承認番号21200AMZ00561商標名Myslee Tablets 10mg

薬価基準収載年月

2000年11月

販売開始年月

2000年12月

貯法・使用期限等

貯法 室温保存、ただし錠剤分割後は遮光保存使用期限ケース等に表示(製造後3年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕

基準名

日本薬局方ゾルピデム酒石酸塩錠

規制区分

向精神薬習慣性医薬品注意−習慣性あり処方箋医薬品注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分(1錠中)日局 ゾルピデム酒石酸塩 10mg添加物乳糖水和物、結晶セルロース、ヒプロメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、マクロゴール、カルナウバロウ、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

性状

剤形フィルムコーティング錠(片面割線入)色淡いだいだい色外形表
外形裏
外形側面
大きさ直径
約8.6mm大きさ厚さ
約3.3mm重量約185mg識別コード631

一般的名称

ゾルピデム酒石酸塩錠Zolpidem Tartrate

警告本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。
禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.重篤な肝障害のある患者[代謝機能の低下により血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]3.重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]4.**急性閉塞隅角緑内障の患者[眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。]
原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合[呼吸抑制により炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。]

効能又は効果

不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)

効能又は効果に関連する使用上の注意

本剤の投与は、不眠症の原疾患を確定してから行うこと。なお、統合失調症あるいは躁うつ病に伴う不眠症には本剤の有効性は期待できない。

用法及び用量

通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5〜10mgを就寝直前に経口投与する。なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.本剤に対する反応には個人差があり、また、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)は用量依存的にあらわれるので、本剤を投与する場合には少量(1回5mg)から投与を開始すること。やむを得ず増量する場合は観察を十分に行いながら慎重に投与すること。ただし、10mgを超えないこととし、症状の改善に伴って減量に努めること。2.本剤を投与する場合、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、患者が起床して活動を開始するまでに十分な睡眠時間がとれなかった場合、又は睡眠途中において一時的に起床して仕事等を行った場合などにおいて健忘があらわれたとの報告があるので、薬効が消失する前に活動を開始する可能性があるときは服用させないこと。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)1.衰弱患者[薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。]2.高齢者(「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)3.心障害のある患者[血圧低下があらわれるおそれがあり、心障害のある患者では症状の悪化につながるおそれがある。]4.肝障害のある患者(「禁忌」及び「薬物動態」の項参照)5.腎障害のある患者[排泄が遅延し、作用が強くあらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]6.脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれるおそれがある。]

重要な基本的注意

1.連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。(「重大な副作用」の項参照)2.本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

相互作用

相互作用の概略

本剤は、主として肝薬物代謝酵素CYP3A4及び一部CYP2C9、CYP1A2で代謝される。

併用注意

(併用に注意すること)薬剤名等
麻酔剤臨床症状・措置方法呼吸抑制があらわれることがあるので、慎重に投与すること。機序・危険因子相加的に呼吸が抑制される可能性がある。薬剤名等
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等臨床症状・措置方法相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、慎重に投与すること。機序・危険因子本剤及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。薬剤名等
アルコール(飲酒)臨床症状・措置方法精神機能・知覚・運動機能等の低下が増強することがあるので、できるだけ飲酒を控えさせること。機序・危険因子アルコールはGABAA受容体に作用すること等により中枢神経抑制作用を示すため、併用により相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。薬剤名等
リファンピシン臨床症状・措置方法本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。機序・危険因子薬物代謝酵素CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認時までの臨床試験では、1,102例(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症を含む)中、副作用(臨床検査値の異常変動を除く)は190例(17.2%)に報告され、主な副作用は、ふらつき44例(4.0%)、眠気38例(3.4%)、頭痛31例(2.8%)、倦怠感31例(2.8%)、残眠感29例(2.6%)、悪心23例(2.1%)等であった。臨床検査値の異常変動は、ALT(GPT)上昇1.5%(12/778)、γ-GTP上昇1.1%(8/702)、AST(GOT)上昇1.0%(8/777)、LDH上昇1.0%(7/700)等であった。
市販後の調査等では、4,485例中、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)は、230例(5.1%)に報告され、主な副作用は、眠気21例(0.5%)、ふらつき18例(0.4%)、肝機能障害18例(0.4%)、ALT(GPT)上昇17例(0.4%)、γ-GTP上昇16例(0.4%)、AST(GOT)上昇12例(0.3%)、一過性前向性健忘10例(0.2%)、LDH上昇9例(0.2%)等であった。(再審査結果通知:2016年3月)

重大な副作用

1. 依存性、離脱症状連用により薬物依存(頻度不明)を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、反跳性不眠、いらいら感等の離脱症状(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。2. 精神症状、意識障害せん妄(0.1〜5%未満注1))、錯乱(0.1〜5%未満)、夢遊症状(0.1〜5%未満注1))、幻覚、興奮、脱抑制(各0.1%未満)、意識レベルの低下(0.1%未満注1))等の精神症状及び意識障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には投与を中止すること。3. 一過性前向性健忘、もうろう状態一過性前向性健忘(服薬後入眠までの出来事を覚えていない、途中覚醒時の出来事を覚えていない)(0.1〜5%未満)、もうろう状態(0.1〜5%未満注1))があらわれることがあるので、服薬後は直ぐ就寝させ、睡眠中に起こさないように注意すること。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。異常が認められた場合には投与を中止すること。4. 呼吸抑制呼吸抑制(頻度不明)があらわれることがある。また、呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を行うこと。5. 肝機能障害、黄疸AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害(0.1〜5%未満注1))、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用の注意

注1)市販後の調査等における頻度

その他の副作用

精神神経系0.1〜5%未満 ふらつき、眠気、頭痛、残眠感、頭重感、めまい、不安、悪夢、気分高揚精神神経系0.1%未満 錯視、しびれ感注2)精神神経系頻度不明 振戦血液0.1〜5%未満 白血球増多、白血球減少肝臓0.1〜5%未満 ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、AST(GOT)上昇、LDH上昇腎臓0.1〜5%未満 蛋白尿消化器0.1〜5%未満 悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛消化器0.1%未満 下痢消化器頻度不明 口の錯感覚、食欲亢進循環器0.1〜5%未満 動悸過敏症注1)0.1〜5%未満 発疹、そう痒感骨格筋0.1〜5%未満 倦怠感、疲労、下肢脱力感骨格筋頻度不明 筋痙攣0.1〜5%未満 複視頻度不明 視力障害、霧視その他0.1〜5%未満 口渇、不快感その他0.1%未満 転倒注2)注3)その他頻度不明 味覚異常

その他の副作用の注意

注1)発現した場合には、投与を中止すること。注2)市販後の調査等における頻度注3)転倒により高齢者が骨折する例が報告されている。

高齢者への投与

運動失調が起こりやすい。また、副作用が発現しやすいので、少量(1回5mg)から投与を開始し、1回10mgを超えないこと。(「薬物動態」の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. *妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。本薬はヒトで胎盤を通過することが報告されており、妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれることがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。]2. 授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されており、新生児に嗜眠を起こすおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)

過量投与

症状:本剤単独の過量投与では、傾眠から昏睡までの意識障害が報告されているが、さらに中枢神経抑制症状、血圧低下、呼吸抑制、無呼吸等の重度な症状があらわれるおそれがある。処置:呼吸、脈拍、血圧の監視を行うとともに、催吐、胃洗浄、吸着剤・下剤の投与、輸液、気道の確保等の適切な処置を行うこと。また、本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。なお、本剤は血液透析では除去されない。

適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静、抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

1. 血漿中濃度(1) 健康成人健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠2.5〜10mgを空腹時に単回経口投与したところ、ゾルピデムは速やかに吸収され、投与後0.7〜0.9時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した後、消失半減期(t1/2)1.78〜2.30時間で速やかに減少した。Cmax及び血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)は投与量に比例して増加した1)。また、健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを1日1回7日間朝食後に経口投与したところ、血漿中濃度推移は1日目と7日目でほぼ同じであった1)。(「薬物動態の表」表1参照)

(工藤義雄 他:臨床医薬 6(4):651,1990、図6より改変)(2) 高齢患者高齢患者7例(67〜80歳、平均75歳)にゾルピデム酒石酸塩錠5mgを就寝直前に経口投与したところ、高齢患者の方が健康成人に比べてCmaxで2.1倍、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)で1.8倍、AUCで5.1倍、t1/2で2.2倍大きかった2)。(3) 肝機能障害患者(外国人データ)肝硬変患者8例にゾルピデム酒石酸塩錠20mgを経口投与したところ、同年齢の健康成人に比べてCmaxは2.0倍、AUCは5.3倍大きかった3)。(「薬物動態の表」表2参照)(4) 腎機能障害患者(外国人データ)慢性腎障害を有する患者16例(Ccr:0〜47mL/min)にゾルピデム酒石酸塩10mgを20分間静脈内持続注入したところ、健康成人に比べβ相での分布容量(Vdβ)のみ有意に大きかった4)
また、透析を受けている慢性腎障害患者9例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを1日1回13〜18日間経口投与したときの血漿中濃度は単回投与時とほぼ同じであり、血中での蓄積は認められなかった5)。(「薬物動態の表」表3参照)2. 代謝本剤の大部分は肝で代謝され、その主なものは芳香環のメチル基が酸化されてカルボン酸となった薬理活性を有しない代謝物であった6)。また、本剤は肝薬物代謝酵素CYP3A4のほかCYP2C9、CYP1A2など複数の分子種により代謝される7)8)。3. 排泄健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠2.5〜10mgを空腹時に単回経口投与したところ、投与後24時間までの尿中に排泄された未変化体は、いずれの投与量においても投与量の0.5%以下とごくわずかであった1)。また、健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを1日1回7日間朝食後に経口投与したところ、投与初日、4及び7日目投与後24時間の尿中未変化体排泄率は単回投与時と同様、投与量の0.5%以下であった1)。4. 乳汁中への移行(外国人データ)授乳中の婦人5例にゾルピデム酒石酸塩錠20mgを経口投与したとき、未変化体の乳汁中排泄率は投与量の0.004〜0.019%であった。投与後3時間目の乳汁中/血漿中濃度比は0.11〜0.18であった9)
(注)本剤の承認された1日用量は最大10mgである。

薬物動態の表

投与量
(mg) 
Tmax
(h) 
Cmax
(ng/mL) 
t1/2
(h) 
AUC0-
(ng・h/mL) 
2.5 0.7±0.3 32.6±9.6 1.78±0.48 96±58 
5.0 0.8±0.3 76.2±29.7 2.06±1.18 259±218 
7.5 0.9±0.6 102±42 1.86±0.47 330±163 
10.0 0.8±0.3 120±73 2.30±1.48 491±474 

(Mean±S.D.)

対象 Tmax
(h) 
Cmax
(ng/mL) 
t1/2
(h) 
AUC0-
(ng・h/mL) 
肝硬変患者 0.69±0.54 499±215 9.91±7.57 4203±3773 
健康成人 0.72±0.42 250±57 2.15±0.25 788±279 

(Mean±S.D.、※のみn=7)
(注)本剤の承認された1日用量は最大10mgである。

  例数 Tmax
(h) 
Cmax
(ng/mL) 
t1/2
(h) 
AUC0-
(ng・h/mL) 
単回投与 11 1.7±1.0 172±96 2.4±1.3 796±527 
反復投与 0.8±0.6 203±96 2.5±1.2 930±651 

(Mean±S.D.)
※反復投与9例と同一症例を含む
(注)本剤の承認された用法は経口投与である。

臨床成績

比較試験を含む臨床試験10)〜21)(長期投与試験は除く)における、統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症以外の不眠症での改善率は59.6%(476例/799例)であった。

薬効薬理

1. 動物の脳波に対する作用ゾルピデム酒石酸塩は、サル、ネコ及びラットにおいて、より選択的に徐波睡眠を増加させた22)〜24)。ネコ及びラットの覚醒−睡眠パターンに対する影響は少なかった25)26)。作用発現は速やかで、持続は短かった24)。2. その他の中枢作用ゾルピデム酒石酸塩は、マウス及びラットにおいて、鎮静作用の他に、抗痙攣作用、抗不安作用、筋弛緩作用等を示すが、鎮静作用が最も少量であらわれた27)28)。3. 反復投与の影響ゾルピデム酒石酸塩は、マウスにおいて、反復投与しても耐性の形成は弱かった29)。4. 作用機序ゾルピデム酒石酸塩は、ω1(BZD1)受容体に対して選択的な親和性を示し、GABAA系の抑制機構を増強するものと考えられる30)31)。5. 臨床薬理(1) 夜間睡眠に及ぼす影響ゾルピデム酒石酸塩錠10mgを健康成人に就寝前に投与すると、睡眠潜時を短縮し32)、睡眠後はREM睡眠に影響することなく徐波睡眠を増加させ、翌朝への持ち越し効果、反跳現象はみられなかった32)〜36)。(2) 記憶機能に対する作用健康成人にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを投与した1時間後には明らかな催眠作用がみられたが、翌朝の記憶検査では影響はみられなかった37)〜40)

有効成分に関する理化学的知見

一般名ゾルピデム酒石酸塩(Zolpidem Tartrate)化学名N,N,6-Trimethyl-2-(4-methylphenyl)imidazo[1,2-a]pyridine-3-acetamide hemi-(2R,3R)-tartrate構造式分子式(C19H21N3O)2・C4H6O6分子量764.87融点約190℃(分解)分配係数(1-オクタノール/水系)
水:1.18
pH1:0.39
pH3:0.52
pH5:4.61
pH7:309
pH9:377旋光度〔α〕20D:約+1.8°(1g、N,N -ジメチルホルムアミド、 20mL、100mm)性状ゾルピデム酒石酸塩は白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、N,N -ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に黄色となる。

包装

錠5mg:100錠(10錠×10)錠5mg:700錠(14錠×50)錠5mg:1,000錠(10錠×100)錠5mg:1,000錠(バラ)錠10mg:100錠(10錠×10)錠10mg:700錠(14錠×50)錠10mg:1,000錠(10錠×100)錠10mg:1,000錠(バラ)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)工藤義雄 他:臨床医薬 6(4):651, 1990[MYS-00097]2)本間 昭 他:社内報告書(高齢不眠症患者・薬物動態)(DIR000024)3)Bercoff, E. et al.:社内報告書(海外肝硬変患者・薬物動態)(DIR000015)4)Bouchet, J.L. et al.:社内報告書(海外慢性腎障害患者・薬物動態)(DIR000016)5)Fillastre, J.P. et al.:社内報告書(海外慢性腎障害患者・薬物動態)(DIR000018)6)Warrington, S. et al.:社内報告書(海外健康成人・薬物動態)(DIR000014)7)Pichard, L. et al.:Drug Metab. Dispos. 23(11):1253, 1995[MYS-00199]8)Moltke, L.L. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 48(1):89, 1999[MYS-00346]9)Pons, G. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 37(3):245, 1989[MYS-00032]10)工藤義雄 他:臨床医薬 9(Suppl.2):3, 1993[MYS-00103]11)風祭 元 他:臨床医薬 9(Suppl.2):23, 1993[MYS-00104]12)工藤義雄 他:臨床医薬 9(Suppl.2):57, 1993[MYS-00106]13)筒井末春 他:臨床医薬 9(Suppl.2):101, 1993[MYS-00108]14)工藤義雄 他:臨床医薬 9(1):79, 1993[MYS-00099]15)筒井末春 他:臨床医薬 9(2):387, 1993[MYS-00102]16)筒井末春 他:臨床医薬 16(5):649, 2000[MYS-00466]17)北守 茂 他:臨床医薬 9(Suppl.2):121, 1993[MYS-00109]18)古田寿一 他:臨床医薬 9(Suppl.2):149, 1993[MYS-00111]19)八木剛平 他:臨床医薬 9(Suppl.2):167, 1993[MYS-00112]20)松岡幸彦 他:社内報告書(不眠症患者・臨床試験)(DIR000025)21)片山宗一 他:臨床医薬 9(Suppl.2):137, 1993[MYS-00110]22)佐藤 壽 他:ブレインサイエンス 5(3):309, 1994[MYS-00444]23)Depoortere, H.:社内報告書(ネコ・薬理作用)(DIR000001)24)Depoortere, H.:社内報告書(ラット・薬理作用)(DIR000002)25)Depoortere, H.:社内報告書(ネコ・薬理作用)(DIR000003)26)Depoortere, H.:社内報告書(ラット・薬理作用)(DIR000004)27)佐藤 壽 他:社内報告書(マウス・薬理作用)(DIR000020)28)Perrault, G. et al.:社内報告書(ラット・薬理作用)(DIR000007)29)Perrault, G. et al.:社内報告書(マウス・薬理作用)(DIR000008)30)Schoemaker, H. et al.:社内報告書(ラット大脳皮質・薬理作用)(DIR000009)31)佐藤 壽 他:社内報告書(ラット小脳他・薬理作用)(DIR000019)32)延原健二 他:神経精神薬理 14(2):137, 1992[MYS-00098]33)菅野 道 他:神経精神薬理 15(9):589, 1993[MYS-00123]34)中込和幸 他:神経精神薬理 15(9):603, 1993[MYS-00116]35)Nakajima, T. et al.:Psychiatry Clin. Neurosci. 54(1):37, 2000[MYS-00457]36)Nakajima, T. et al.:Life Sci. 67(1):81, 2000[MYS-00491]37)鈴木牧彦 他:神経精神薬理 15(6):375, 1993[MYS-00136]38)内海光朝 他:神経精神薬理 16(1):45, 1994[MYS-00154]39)Isawa, S. et al.:日本神経精神薬理学雑誌 20(2):61, 2000[MYS-00492]40)Uchiumi, M. et al.:日本神経精神薬理学雑誌 20(3):123, 2000[MYS-00518]

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アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号 0120-189-371

長期投与医薬品に関する情報

本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付、平成18年厚生労働省告示第107号 一部改正)に基づき、1回30日分を超える投薬は認められていない。

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売アステラス製薬株式会社東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号販売提携サノフィ株式会社東京都新宿区西新宿三丁目20番2号提携SANOFI