■柿沢未途前法務副大臣の矛盾――都議会でリタリン乱用問題を追及していた立場で…
東京都議会でリタリンの乱用問題について厳しく取り上げ、その対策を求めていた柿沢未途前法務副大臣が、自身は公職選挙法違反の疑いで起訴され、政治的責任を問われています。リタリンは医療用途として認められているものの、その誤用や乱用が社会問題になった時期に、柿沢前副大臣はその問題に強い関心を示し、都議会で議論を巻き起こしていました。
しかし、その後、彼が関与したとされる選挙における不正行為が明るみに出たことで、彼の発言と行動には矛盾が生じ、法務行政を担当していた立場としての責任を問われる事態となっています。
リタリン自体は、ADHDやナルコレプシーの治療薬として合法的に使用されるべきものであり、問題はその乱用にあります。その問題に対して積極的に言及していた彼が、法的に不適切な行為に関与していたことが、政治家としての信頼性を大きく揺るがすことになりました。

【東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件】
東京地検特捜部は3月28日、東京都江東区長選に関連した公職選挙法違反(買収など)の疑いで、衆議院議員で前法務副大臣の柿沢未途容疑者(52)=自民党離党=およびその秘書4人を逮捕した。特捜部によると、柿沢容疑者は2023年4月に実施された区長選を巡り、特定候補への支持を広げる目的で、区議会議員らに現金約200万円を渡した疑いがある。
今回の捜査は、現職の国会議員が買収の疑いで逮捕されるという異例の事態へと発展した。
柿沢容疑者は、江東区を地盤とする衆院議員で、2022年まで法務副大臣を務めていた。過去の選挙でも選挙運動の適正が問われた経緯があり、今回は違法なインターネット広告への関与も視野に捜査が進められている。不正な手段を通じて選挙結果に影響を与えようとした可能性があるとして、東京地検は慎重に経緯を調べている。
逮捕容疑は、2023年4月に実施された江東区長選挙に際し、当時立候補していた木村弥生氏を支援するため、区議らに票の取りまとめを依頼する趣旨で現金を提供したとされるもの。関係者への聞き取りなどにより、特捜部は金銭の授受実態を裏付けたとみられる。
