統合失調症の前兆と急性期について

■統合失調症の前兆期

発症の前触れのサインが現れ、眠れなくなったり、物音や光に敏感になったり、あせりの気持ちが強くなったりして発症の前触れのような変化がみられることがあります。この時点で受診したほうが良いですが、誰もが経験する症状に似ているので本人も周りの人も気づかないことが多くあります。また、専門外の医療機関や医師によっては気のせいだとか、軽いベンゾジアゼピンの抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。しかし最初から統合失調症も診れる精神科に通院すべきです。ベストな治療やお薬はうつ病や他の病気と異なるからです。

■統合失調症の急性期

幻覚や妄想などの陽性症状が目立つ時期です。会社や学校に行けなくなったりトラブルに巻き込まれたりしがちです。急性期は前兆期に続いて現れ、不安や緊張感、敏感さが極度に強まり、幻覚、妄想、興奮といった統合失調症特有の陽性症状が目立ちます。人に見張られている、盗聴されている、みんなに悪口を言われている、自分の声が聞こえるなど幻覚や妄想に襲われて頭の中が混乱し、周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくなります。入院や薬物療法が必要で、比較的長期にわたって治療薬を継続することが必要です。間違った情報に従って治療をやめようとしてはいけません。家族や周りの人は温かい気持ちで見守ってあげてください。